中井睦美の授業紹介(シラバス)

教科教育法(理科)教科教育法(生活)理科4(地学)演習1,2(ゼミ)

地球科学AB(総合教育科目)


教科教育法(理科)板橋校舎3年 

1.授業目標

 初等教育の理科の教育法について,授業構成の仕方,基本的実験方法,自然観察方法などを中心に,具体的に学習します.また,学童期における自然科学的なものの考え方の育成について,多方面から考察を行います.初等教育における理科離れは,現在問題になっている日本の教育問題の一つです.初等教育の教員を目指す学生諸氏には,ぜひ理科の面白さを感覚的に味わって,興味を持ってほしい.

2.授業内容

 初等教育の理科は,自分たちをとりまく自然界の基本的な仕組みについて,実験や観察を通して理解していくという内容で,遊びの要素も取り入れやすく,本来とても楽しいものです.しかし,これらが単なる知識の羅列の授業になったとしたら,こんなに味気ないものはありません.さらに,実験・手作業を通じて身につく,いわゆる“見えない学力”である量の概念や自然科学的論理性は,中等教育以降の理科教育や,技術的職業についた場合の基礎力となるものです.そこでこの授業では,実験観察を中心に理科の授業を組み立てることを前提として,授業の構成方法,実験方法(安全対策を含む),自然観察方法(野外を中心に)などについて,具体例をあげつつ学習します.また,理科は総合の時間のテーマとしても取り入れやすいので,総合の時間への対応についても考慮します.さらにインターネットを授業に取り入れることも予定しています.毎年,長瀞に野外実習に行っています.


教科教育法(生活) 東松山校舎2年

1.授業目標

 初等教育の生活科の教育法について,主として理科的内容を中心に学習します.生活科で取り扱う項目である,生き物を育てる,ものを作る,情報の伝達,野外に出る,季節の行事などについて,教育現場で,柔軟性をもって,計画・実行できるような,企画力・指導力の養成を目標とします.

2.授業内容

 生活科は,教師が教え,児童がそれを覚えるといった知識中心の教科ではありません.児童の生活力,好奇心,想像力,社会性などを,遊びや学習のなかで,自発的に育てることを目的とした教科です.従って,生活科の授業では,担当教員の企画力指導力が問われることになります.また,ただ経験させればよいというのではなく,個々の児童の個性や成長を一人一人観察しながら,適切な指導をすることが求められています.評価についても点数で表わしにくい難しさがあります.

 本授業では,学生諸氏が将来教育現場で生活科という教科に,積極的に取り組んでいけるよう,生き物を育てる,ものを作る,野外に出る,季節の行事などの内容について,教育的に重要なポイントについて学習・討論します.また,授業の指導計画の試作などの模擬実習を行います.遠足の利用,博物館・動物園・植物園・水族館といった公共施設の利用法も学習します.毎年,授業中に野外実習を行っています.


理科4(地学) 教科に関する科目,および,学芸員資格科目

1.授業目標 

 初等中等教育の理科における地学は,身の回りで見ることのできる地球の自然現象を観察し,総合的に取り扱う内容です.また,地学は,生涯教育の分野でも,科学博物館,資料館などでよく取り上げられるテーマです.本講義は,主として初等教育に出てくる地球惑星科学の分野について,系統的に学習します.ただし,日進月歩の新しい地球科学的データもその都度とり入れ,さらに,一歩ふみこんで,自分たちの生きる自然界の大きなシステムについて考察します.

2.授業内容

 地球の自転・公転運動によって,天体が見かけ上どのように動いて見えるか.目に見える天体とそれを基に築かれた人間社会の時間(時刻)の定義について学びます.また,近年あきらかになった新しい太陽系の天体のデータについても紹介します.

 さらに,私たちの日本列島を形成している岩石,その生い立ち,日本列島の地域の地球史を説き明かす調査方法について学びます.授業は,講義だけでなく,作業なども取り入れます.今年は,授業で自然史関係の博物館に行く予定です.


教授・学習演習1,2 (自然科学教育ゼミ)

1.授業目標

 初等教育における自然環境との関わり方は,単なる学習対象という面だけでなく,児童が自然の中で学び遊ぶことによって精神および体育的成長が培われるという重要な側面をもっています.本授業は,教育者として自然に関する豊かな指導できるようになること,また,自然科学的研究手法を学ぶことを目標とします.

2.授業内容

 子どもの成長は,生命の進化過程を再現し,46億年かけて形成された地球惑星の環境によって支えられているといわれています.確かに,幼児児童期に豊かな自然環境に触れること,自然の中で遊ぶこと,季節感を育てることなどは,子どもの成長にとって欠くことのできない教育要素です.しかし,児童をとりまく自然環境は都市部を中心に著しく変化し,日常の生活感から季節感が希薄になり,自然環境の悪化により,安心して野外で遊びなどができないような状態になりつつあります.この授業では,この様な児童を取り巻く自然環境の変化をふまえた上で,児童が豊かな自然環境に触れる機会を増やせるような,教育内容を開発すべく,演習・研究・考察をおこないます.さらに,四季の微妙な変化について,教育内容に取り入れる課題についても学習します.

 授業は,ゼミ全体の課題研究・および個人の課題研究についてのディスカッションを主体に行います.野外観察の機会を多く取り入れます.今年は普通のゼミ合宿に加えて,都留文科大学との合同ゼミ合宿もしました.NatureやScienceの論文紹介にも取り組んでいます.


地球科学AB(総合教育科目) 東松山校舎1,2年

前期(地球惑星科学)

授業目標内容

 地球惑星は,水と生命の星で,現在もゆっくりと進化し続けています.本講義は,宇宙の進化の中で,太陽のような地球型惑星を伴う恒星が生まれる過程と,その上で半ば必然的に生命が生まれ現在に至る46億年の地球史を学びます.

後期(地球環境科学)

授業目標内容

 地球環境の変動は,地球内部のエネルギーのやりとりの変化ということができます.たとえば,太陽エネルギーが変化すれば,気候変動がおこりますし,火山活動が増加しても,気候変動は起こります.それらは,かつてはすべて自然界の中のエネルギーのやりとりだったのですが,近年は人間活動が原因で地球のエネルギー収支のバランスが崩れることが指摘されています.この授業では,地球環境をグローバルな目で観察し,人類もまた,大きな地球環境の一部であるという視点で,環境変動を考察します.また,自然災害についても学びます.


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