ギャラリー解説
古陶磁器
醴陵窯濃緑釉地開光釉下五彩花鳥文筒瓶(宣統年間、AD1909〜1911) |
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高30.5cm、口径12.4cm、底径12.4cm 中国に於ける釉下彩は青花や釉裏紅が中心で、多色釉は五彩にしろ 粉彩・闘彩にしろ釉上彩である。この多色五彩を釉下に施したものは、 清朝最末期の光緒三十二年(1906)に湖南陶瓷公司を設立し「湘彩」 としてその名を知らしめた湖南省醴陵窯の釉下五彩瓷器である。当時 の醴陵窯は、期間が短く作品数も少ないためあまり伝世品を見かけな いが、茶色・濃緑色・暗紫色などの色調に特徴が有り、現代的感覚の逸 品も残されている。本品は、薄茶色の胎土に白化粧を施さぬまま直接 釉薬を施した可成り雑な作りではあるが、特徴有る濃緑色・暗紫色を使 った釉下五彩の醴陵窯作品であることは間違いなく、貴重な当時の醴 陵窯サンプルである。 |