ギャラリー解説蛟蛟

書画

黄虎洞手習い、陰陽刻自用印二顆(現代、AD2024、6、6)

縦横・・6x1.5cm

新緑の季節と成ったが、朧月夜に誘われてふらりと散歩

に出かけた。静かな夜道を歩いていてふと心に思った事

を、即興的に對句に仕立ててみた。戰國篆文で刻した「歩

月浴風坐草」と「思友上頭語月」(月に歩み風に浴し草に

坐し、友を思ひ頭を上げ月に語る)である。「あの時代、

お前も俺も身體を張って駆け抜けて來たが、結構面白く

楽しかったなあ、でも今では互いに病身の老殘を令和に

晒している。思えば昭和は遠くなった。所詮俺たちは昭

和の殘滓に過ぎないが、此處まで生きて來たんだ、最後

の最後までドタバタジタバタと少し騒がせてもらおうじゃな

いか、なあ友よ・・・」、月は己の獨白など聞きたくも無い

かの如く、雲間に隠れようとしている。ならば己も歸って寝

るか。


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