ギャラリー解説蛟蛟

書画

黄虎洞手習い、陰陽刻自用印二顆(現代、AD2025、12、4)

縦横・2.2×2.3cm

共に甲骨文で刻した、『史記』平原君傳の「義不取容」(義

は容れらるるを取らず)と、『論衡』逢遇篇の回文「夏鑪冬

扇」とである。「「義不・・」は、正義の爲ならば例え他人の

氣に入らない事でも敢えて行う、と言う事で、平原君傳には

、「行は苟合せず、義は容れらるるを取らず」と有る。斯様

な態度は立派ではあるが、得てして人に嫌われる事が多

い。亦た回文の「夏鑪・・」は、時宜に合わず何の役にも立

たず無用な物の例えである。逢遇篇には、「無益の能を勧

め、補無きの説を納れ、夏を以て鑪を勧め、冬を以て扇を

奏す」と有る。己の經験から言えば、大学の教授會がそう

であった。立派な正論を滔々と述べられるが、現實問題の

解決には何の役にも立たず、結局何も決まらない、時間

だけが無駄に過ぎて行く、と言う事が一體何回有っただろ

うか。


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