ギャラリー解説蛟蛟

書画

黄虎洞手習い、陽刻自用印一顆(現代、AD2025、12、8)

縦横・2×4.8cm

『漢書』司馬遷傳の一句を、扁額風に金文で刻した「九

牛一毛」(九牛の一毛)である。取るに足らぬ小さな事を

言い表した言葉である。司馬遷傳には、「假令《もし》僕

法に伏し誅を受くるとも、九牛の一毛を亡ふが若し、螻

螘と何ぞ異ならんや」と有る。己も在職中に處分を受け

たが、法を犯した譯でも無く亦た己が心に恥じる事でも

無かったので、出校禁止二ヶ月の謹慎も、九牛の一毛

を亡ふが若きであった。要するに、己を律するは我に

在り、己を處するは人に在り、である。


[ギャラリー一覧へ戻る]