ギャラリー解説蛟蛟

書画

黄虎洞手習い、陰陽刻自用印二顆(現代、AD2025、12、10)

縦横・2.2×2cm

『書經』大禹謨の一句を、金文で刻した「刑故无小」(故を刑

するに小无し)と、『漢書』高帝紀上の一句を甲骨文の回文

で刻した「口尚乳臭」(口に尚ほ乳臭あり)とである。「刑故

・・」は、故意に犯した罪は、例え小さな罪でも必ず處罰する、

と言う意味で、大禹謨には、「過を宥《ゆる》すに大無く、故

を刑するに小無し」と有る。意識的な行爲で罪を犯せば、微

小であっても罪は罪なのである。「口尚・・」は、若くて經験に

乏しい事の例で、「嘴が青い」と言うのと同じである。高帝紀

上には、「是れ口に尚ほ乳臭あり、韓信に當る能はず」と有

る。漢文訓讀も「五十六十まだひよこ」と言われて來た、さす

れば己などはやっと子供で、將に口に尚ほ乳臭有る餓鬼に

過ぎないのである。


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