ギャラリー解説蛟蛟

書画

黄虎洞手習い、陰刻自用印一顆(現代、AD2026、1、30)

縦横・5×2.1cm

『史記』魏其武安侯傳と曹植の「與呉季重書」の各々の

一句を並べて、金文で刻した「首鼠兩端左顧右視」(首

鼠は兩端し左顧右視す)である。形勢を見て迷い躊躇い

、日和見的で何も決められない様子を、表した言葉であ

る。魏其武安侯傳には、「長孺と共に一老禿翁、何爲れ

ぞ首鼠兩端するや」と有り、與呉季重書には、「左顧右

眄(視)するや、人無きが若しと謂ふは、豈に吾子の壯

志に非ずや」と有る。所謂兩端を持して洞ヶ峠を決め込

む事である。裏ではハッキリと過激なまでに意見を言う

くせに、いざ公的會議となると左顧右眄し首鼠兩端の態

度を取る人を、多く見かける。


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