ギャラリー解説蛟蛟

書画

黄虎洞手習い、陰陽刻自用印二顆(現代、AD2026、2、2)

縦横・2.3×2.1cm

『易經』繋辭傳下の一句を、戰國篆文で刻した「彰往察來

」(往を彰《あきら》かにして來を察す》と、『舊唐書』賈曾傳

の一句を、回印の古璽文で刻した「上行下効」(上行はば

下効《なら》ふ)とである。「彰往云々」は、過去のことから

將來を推し量り見抜く事であり、繋辭傳下には、「夫れ易

は往を彰かにして來を察し、顯を微にして幽を闡にす」と

有る。亦た「上行云々」は、上の者が行えば下の者は其

の真似をすると言う事で、賈曾傳には、「上行はば下効ふ

、淫俗將に成らんとし、國を敗り人を亂すは、實に茲より

起く」と有る。最近、上は國會議員から下は首長・教員に

至るまで、矢鱈にアンモラルな行動が目立つが、だからと

言って、己が背徳を繰り返して「上に効った」と言えば、一

體どうなるのであろうか、昔は、立場立場に因ってするべ

きでは無い事が辨えられていた様に思えるが、今は其れ

が薄れた様に思われる。


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