ギャラリー解説蛟蛟
書画
黄虎洞手習い、陰陽刻自用印二顆(現代、AD2026、2、27) |
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縦横・5×2.1、2.1×2.1cm 中東ガザの様子を傳へる悲惨なニュースを見ていて、ふと 徐陵の言葉が頭を過ぎった、『陳書』徐陵傳の一節を金文 で刻した「風行雨散東播西流」と、甲骨文で刻した「生離死 別」とである。「風行云々」は、戰禍を避けて着の身着のま まで彼方此方流浪する事であり、「生離云々」は悲痛・悲惨 な別離を表す言葉である。徐陵傳には、「又聞く本朝の公 主、都人の士女、風行雨散し東播西流す、京邑は丘墟、姦 蓬は蕭瑟、偃師は望し咸草莱と爲る」と有り、亦た「況んや 吾は生離死別、多く暄寒を歴し、孀室嬰兒、何ぞ言に念ふ 可けんや」と有る。第二次大戰後のボタンの掛け違いと謂 へば態は良いが、要は大國の三枚舌が招いた結果であり 、怨みが怨みを呼ぶ状況に至っている。人間の業とは、斯 くも凄まじいものなのであろうか。 |