No.01
このHPを観る大学生諸君へ!

 近年,大学生を取り巻いている環境は,だんだんと厳しいものになってきている。そんなことは,大学関係者は誰もが認識していることである。
 もうあと数年で,「大学全入時代」がやってくるといわれている。しかし,すでに競争率1倍という大学や,定員割れという大学が現われているというのが現実のようである(日経 1999.7.4 「大学全入時代,今春で実感?」)。

 我が大東文化大学もウカウカしていられないと思う。何らかの自己改革が必要なのだ。その一つとして,2000年4月より,現在の経済学部経営学科が経営学部として独立し,経営学科と企業システム学科で新たなる一歩をふみ出そうとしている。
 しかし,器が良くなっても,そこで教える者と入学してくる者の意識が変わらなければ,本質的に何も変わらないことになる。ここが一番難しいところである。

 学生は元々勉強に対しては興味がなく,最大の関心は卒業であるといった記事が,大学教員により寄稿されており(日経 1998.9.20 「当世大学生気質,勉強に元々興味なし」),また,大学の学長に対するアンケートでは,自分の大学の学生の学力は低下していると認識している学長が80%もいるという(日経 1999.8.28),非常に悲観的な結果が示されている。その実態は,小学校の簡単な計算問題を間違えるという調査結果からも明らかにされている(日経 1999.8.1 「大学生の学力低下,対策を」)。
 大切なことは,基礎力をつけるための講義を行うことであろうが,学生諸君は,教員が自分たちをどのように見ているのかを知ることも大切と思う。そこで参考になるのが,日経 1999.6.20の「学力低下,大学生の"質"をどう高める」であろう。

 誤解して欲しくないのは,すべての学生が,学力・意識が低いといっているわけでなないということである。大学での4年間で自己を発見し,社会で通用する能力・技術を身につけるように努力すればいいのではないか?無為の4年間もいいと思うが,何かをつかんで卒業して欲しいと思う。
 意識のある学生,また意識を持とうとしている学生に対しては,広い門戸を開いているべきである。諸君と大学の一番身近な接点はゼミナールであろう。教員と学生諸君が,等身大で話し合えることができるからである。ぜひ,どこかのゼミに入って専門知識を学ぶと共に,教員に積極的に触れてみることである。

 僕の理想は,大好きな作家,沢木耕太郎氏が記した『最初の人』(日経 1999.6.27)に書かれているような学生が現われることである。

1999年10月14日
山崎 雅教
 

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