小川平吉 (明治2〜昭和17  1870−1942)  享年74才。 絹本緞子表装 116p×26p

       「天空海濶鳶飛魚躍」

 この書は「戊辰秋日」、即ち昭和3年(1928)秋に揮毫された。小川平吉が鉄道大臣に就任した翌年、数え年59歳の作品である。この一句は、四字熟語「天空海濶」と「鳶飛魚躍」とを組合わせたものと見られ、鉄道大臣就任後の意欲的な心境が窺える。 
 小川平吉は長野生まれ。1923年大東文化協会(大東文化大学の母体)の創設に関わり、大東文化協会4代会頭。加藤高明内閣(大14.2.9  司法大臣)。田中義一内閣(昭2.4.20  鉄道大臣)などを歴任する。
 右上の引首印は「天空快闊」。署名は「射山」の号を用いる。落款印は陽刻印「小川平吉」を右90度傾けて押し、その下に陰刻印「射山長壽」を押す。

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