野路の玉川図(萩の玉川)  
在原古玩1829−1922 (文政12年−大正11年 享年94歳)  大正10年93歳筆 127×42センチ 絹本・着彩

 本図は平安時代末(12世紀)から「野路の玉川」「萩の玉川」で知られた近江国(滋賀県草津市野路町)の萩の名所を、『千載和歌集』(281・源俊頼)の「あすも来む野ぢの玉川はぎこえて色なる波に月やどりけり」によって絵画化したもの。 天空に昇った陰りのない満月、地上の川浪には萩と満月が宿り、そのすばらしさに見入る姿を描く。
 落款に「行年九十三古玩叟重壽」と記し、陽刻印「九十三翁古玩」を捺す。古玩が死去する前年、大正10年93歳の筆であり、最晩年の貴重な一作である。

在原古玩は幕末から大正時代の絵師。土佐派の荒井尚春,長谷川雪堤に学ぶ。本姓は古屋。名は重寿。別号に鳩杖翁、昔男軒など。






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野路の玉川図  在原古玩筆