源氏物語 蓬生 蓬生の宿図 海老名正夫筆  内外タイムス社 昭32年 木版画 24×32.8㎝

 源氏物語蓬生巻の場面で、源氏が須磨に赴いてからは末摘花の生活は貧苦に陥る。源氏からの生活の援助もなくなって、末摘花の屋敷も荒れるにまかせる状態になった。まさに蓬生の宿となった。末摘花を訪ね者はほとんどなく、時々兄の禅師君が訪ねる程度であった。末摘花は、はかない古歌や物語などを読み、物語の場面を描いた絵や、紙屋紙や陸奥紙に書かれた古言などを見て、つれづれを慰めていた。この図はそうした場面を描いている。






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