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扇面古写経(扇面法華経冊子とも) 文を読む公卿と童女 38.3×58.5cm 大阪市四天王寺に伝来した装飾経の遺品。丹青社「国宝 扇面古写経」(下絵復刻・全16枚)の中の一点。 料紙の下絵に墨摺りの木版画を用いたらしく、それを描きおこして風俗画を完成した興味深い資料である。 この古写経は玉葉や吉記により文治4年(1188)9月に四天王寺で行われた如法経十種供養の一つでないかとされ、後白河法皇、八条女院らの奉納供養するものと伝えられている。 この扇面に描かれる風俗画は当時の日常の貴賤男女の姿が描写されているといわれ、藤原時代末期から鎌倉時代初めの代表的な風俗画ということができよう。 |