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新後撰和歌集・玉葉和歌集
飛鳥井雅親 (栄雅)筆 
応永23年〜延徳2年(1416-1490)  享年74歳。

飛鳥井雅親は、権中納言雅世の一男。寛正元年(1460)正二位、同7年(1466)権大納言に至る。文明5年(1473)12月17日に出家。法名栄雅。また柏木と号す。文明14年(1482)の足利義尚主催「将軍家歌合」の判者で知られる。飛鳥井流(栄雅流)の祖で、後花園院・足利義尚・三条西実隆などが師事する。

《翻字》
新後撰和歌集  前大納言為氏
さほ姫のかすの衣冬かけて雪げの空に春はきにけり
玉葉和歌集  紀貫之
けふに明てきのふにゝぬはみな人の心に春のたちにけるかな

《解説》
『新後撰和歌集』の歌は、巻第一春歌上の第一番歌で、詞書「ふるとしに春たちける日よみ侍りける」とある。また後者の『玉葉』歌は、『玉葉和歌集』第一春歌上の巻頭歌で、詞書「はるたつ日よめる」とある。なお、『玉葉集』第五句「たちにけるかな」は、流布本「けらしな」、宮本「けらしも」など異同が見られる。