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松花堂昭乗筆



   
松花堂昭乗 (天正10年-寛永16年 1582-1639 享年58歳)  巻子装 34㎝×500㎝

 見返しに「八幡瀧本坊昭乗 琴山印」の極札がある。昭乗は、摂津生。姓は喜多川、幼名は辰之助。通称は滝本坊。別号に惺々翁、南山隠士などがある。石清水八幡宮社の僧であったが、書道、茶道、絵画に優れた江戸時代初期の文化人として知られる。通称の「滝本坊」は、滝本坊実乗に真言密教を学び、滝本坊住持になったことに因む。書は近衛前久に学び、松花堂流(滝本流とも称する)を樹立する。その「松花堂」の呼称は、隠棲した庵の名に因む。松花堂昭乗は、近衛信尹、本阿弥光悦と共に「寛永の三筆」と称される。また狩野山楽に画を学んで独特の清逸な水墨画も能くした。