武者小路実陰 (むしゃのこうじさねかげ 寛文1年-元文3年 1661-1738 享年78歳)  色紙 18.4㎝×17.1㎝

左 後法性寺入道前関白太政大臣/忍ふるに心のひまはなけれともなをもる物はなみた成けり」(『若宮三十六歌仙絵』左13番歌に相当)

 この九条兼実(1149-1207)の詠は『新古今集』巻第十一恋歌一・1037に入集する。ほかに『時代不同歌合』四一番 右82)、『題林愚抄』『定家八代抄』などにも見える。なお、『新古今集』の詞書には「百首歌よみ侍りける時、忍恋/入道前関白太政大臣」とある。

 武者小路実陰は江戸時代前期から中期にかけての公卿。従一位准大臣に任じる。霊元上皇から古今伝授を受け、霊元院歌壇における代表的な歌人であった。中御門天皇や桜町天皇の和歌の師範であった。歌論書に『初学考鑑』『詞林拾集』、家集に『芳雲集』がある。




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武者小路実陰筆  若宮三十六歌仙 新古今和歌集 時代不同歌合
後法性寺入道前関白太政大臣(九条兼実)詠