大中臣能宣  紙本・着色  江戸時代38×51cm 

「式部卿為平親王賀し侍けるに/大中臣能宣朝臣/ちとせまてかきれる松もけふよりは君にひかれてよろつ代やへむ」(架蔵)は、他本と異なる詞書で成るほか、第2句「かきれる松も」は西本願寺本の異本書入れ本文に一致する点で注目される。
 因みに『私家集大成』所収の『能宣集』は次のような本文である。
 『能宣集T』(西本願寺本)3「二月子日に入道の式部卿宮の野望所に、法師、そくかた/\にゐわかれはへるに、そくのかたのかはらけとりて/千とせまてかきれるまつの(「も」傍書)けふよりはきみにひかれてよろつよやへむ」
 『能宣集V』(書陵部三十六人集本)84「入道式部卿のねの日に/ちとせまてかきりしまつもけふよりはきみにひかれて万代やへん」

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