0. はじめに --- 講義とソフトウエアの紹介


この講義では,フリーソフトを活用しながら, 数学を中心とする数理現象の理解を深めることを目標としています. 特に,CAS (Computer Algebra System) の MuPAD (かつて,教育研究用にフリーのライセンスがありましたが, 現在,開発もとの事情により公開が停止されています), データ解析とグラフ表示の gnuplot, 論文作成ツールの LaTeX を利用して実習を進めます. 実習で利用するソフトはたったこれだけです. これは主として時間的な制約によるものですが, 世界にはまだまだたくさんの魅力的なフリーソフトがあります. ここでは,実習で利用するソフトおよび関連するソフトを簡単に紹介します. これから進める実習の雰囲気もあわせて感じてもらうことができるでしょう.

0.1 数と関数

MuPAD ( http://www.sciface.com/download/

数式処理ソフト. 研究教育用フリーの MuPAD Light の他に MuPAD Pro があります. 利用には登録が必要となります (現在,MuPAD Light の公開は停止されています) .

MAXIMA ( http://maxima.sourceforge.net/


Yacas ( http://yacas.sourceforge.net/yacas.html

0.2 関数とグラフ

gnuplot (http://gnuplot.info/)

2 次元, 3 次元のグラフ表示ソフト. データの理論式へのフィットもできます. 日本語化・機能拡張 (PLUS-enhanced) パッチ公式サイト には, 日本語化された Windows 用バイナリファイル wgpl+w32.zip がありますが, 日本語版のバージョンは古いので,最新版の利用をお勧めします.

0.3 3D グラフィクス・シミュレーション・アニメーション

POV-Ray ( http://www.povray.org/ )

3 D グラフィックスすなわち, レイトレーシング(光線追跡)と レンダリング(表面での反射や屈折の処理)を おこなうソフトです.
POV-Ray

Blender (http://www.blender.org/)

Blender も代表的なレンダリングソフトです.

Eukleides ( http://perso.wanadoo.fr/obrecht/index.html )

Eukleides

SqirlzMorph( http://www.xiberpix.com/SqirlzMorph.html )

Xmorph( http://xmorph.sourceforge.net/home/gourlay/public_html/Xmorph/ )

モーフィング処理を行うソフトである.

morph

Cinderella ( http://www.cinderella.de/en/home/index.html )

幾何図形を画面上でインタラクティブに作図したり, 操作するソフトである.フリーではないが, 学生が無理なく入手できるものである.
Cinderella

GIMP ( http://www.gimp.org/ )

フリーのフォトレタッチソフトである. 画像のデータも数値で構成されている. 画像処理の背後にある数学的処理を実感して欲しい.
光の三原色
赤青緑 (RGB) の三原色から,多くの色を合成する.
GIMP
明るさ
画像を構成する各点には,三原色それぞれの 明るさに応じた数値 (たとえば 0 から 255 までの整数) が割り当てられる. その分布はヒストグラムで確認できる.
GIMP
明るさの補正
露出設定に失敗した写真データは,明るさの補正をおこなうことで ある程度の修正が可能である. 数学的には, 修正後の各点の明るさ y を修正前の各点の明るさ x に 対応させる関数ととらえることができる.
GIMP
撮影に失敗した画像
GIMP
明るさを補正した画像
GIMP
雑音を除去した画像
GIMP
もうひとつの失敗作(画像を右クリックしてダウンロードできます)
GIMP
輪郭抽出
画像の輪郭を抽出するには, 色や明るさが急激に変化する点を探せばよい. 数学的には微分という操作が含まれる.
元の画像
GIMP
「微分」された画像
GIMP
モノクロ 2 値化された画像
GIMP

CELESTIA ( http://www.shatters.net/celestia/index.html


SPICE ( http://infopad.eecs.berkeley.edu/~icdesign/SPICE/


Gnucap ( http://geda.seul.org/tools/gnucap/

0.4 実験データの分析

Octave ( http://www.octave.org/ )


Scilab ( http://www.scilab.org/ )

数値計算・シミュレーションなどをおこなう. 3 D グラフィックスやアニメーションもできる.
Scilab

S ( http://stat.bell-labs.com/S/intro.html )


R ( http://www.r-project.org/ )


LISP-STAT ( http://www.stat.uiowa.edu/~luke/xls/xlsinfo/xlsinfo.html )

0.5 解析結果のまとめと論文作成

pLaTeX

数式や表・グラフを含めることのできる文書作成・整形ツール. ダウンロードサイトへは W32TeXからたどることができる. また, Japanese TeX FAQからは有益な関連情報が得られる.

dviout for Windows ( http://akagi.ms.u-tokyo.ac.jp/dviout.html

pLaTeX で作成された dvifile のビューア.

Ghostscript and Ghostview ( http://www.cs.wisc.edu/~ghost/index.html

Postscript や PDF のインタプリタ. pLaTeX 文書に図を取り込んだり,作成された文書を Postscript 形式(や PDF 形式)に変換するときに利用する. 日本語による新しい情報は Ghostscript 8.00 and GSview 4.4にある. W32TeXにも簡潔な情報がある.

0.6 有益なソフト

Cygwin ( http://cygwin.com

Windows 上に移植された GNU のツール群.上記サイトから ネットワークインストールが可能である. Using Cygwinなどには日本語による情報がある.

Meadow

Windows95/98/NT/Xp 上で動く GNU のテキストエディタ Emacs. インストールに必要な情報等は With Emacsから得られる. ダウンロードは FTP による. 必要なファイルは anonymous FTP サイトにある.

xyzzy

GNU Emacs like なフリーのテキストエディター. Windows ユーザーにはこちらが利用しやすい. 作者のページもあるが, Vector 窓の杜にも登録されている.

Active Perl ( http://www.activestate.com/Products/ActivePerl/Download.html

文字列や数値データのフィルター処理を得意とするプログラミング言語. 利用には登録が必要である.

0.7 有用なサイト


GNU's Not Unix! (http://www.gnu.org/)


SourceForge.net (http://sourceforge.net/)


Scientific Applications on Linux (http://sal.linet.gr.jp/index.shtml)


Linux で科学しよう! ( http://www.mlb.co.jp/linux/science/index.html