0. はじめに --- 講義とソフトウエアの紹介
この講義では,フリーソフトを活用しながら,
数学を中心とする数理現象の理解を深めることを目標としています.
特に,CAS (Computer Algebra System) の MuPAD
(かつて,教育研究用にフリーのライセンスがありましたが,
現在,開発もとの事情により公開が停止されています),
データ解析とグラフ表示の gnuplot,
論文作成ツールの LaTeX を利用して実習を進めます.
実習で利用するソフトはたったこれだけです.
これは主として時間的な制約によるものですが,
世界にはまだまだたくさんの魅力的なフリーソフトがあります.
ここでは,実習で利用するソフトおよび関連するソフトを簡単に紹介します.
これから進める実習の雰囲気もあわせて感じてもらうことができるでしょう.
0.1 数と関数
数式処理ソフト.
研究教育用フリーの MuPAD Light の他に MuPAD Pro があります.
利用には登録が必要となります
(現在,MuPAD Light の公開は停止されています)
.
0.2 関数とグラフ
0.3 3D グラフィクス・シミュレーション・アニメーション
3 D グラフィックスすなわち,
レイトレーシング(光線追跡)と
レンダリング(表面での反射や屈折の処理)を
おこなうソフトです.
Blender も代表的なレンダリングソフトです.
モーフィング処理を行うソフトである.
幾何図形を画面上でインタラクティブに作図したり,
操作するソフトである.フリーではないが,
学生が無理なく入手できるものである.
フリーのフォトレタッチソフトである.
画像のデータも数値で構成されている.
画像処理の背後にある数学的処理を実感して欲しい.
光の三原色
赤青緑 (RGB) の三原色から,多くの色を合成する.
明るさ
画像を構成する各点には,三原色それぞれの
明るさに応じた数値
(たとえば 0 から 255 までの整数)
が割り当てられる.
その分布はヒストグラムで確認できる.
明るさの補正
露出設定に失敗した写真データは,明るさの補正をおこなうことで
ある程度の修正が可能である.
数学的には,
修正後の各点の明るさ y を修正前の各点の明るさ x に
対応させる関数ととらえることができる.
撮影に失敗した画像
明るさを補正した画像
雑音を除去した画像
もうひとつの失敗作(画像を右クリックしてダウンロードできます)
輪郭抽出
画像の輪郭を抽出するには,
色や明るさが急激に変化する点を探せばよい.
数学的には微分という操作が含まれる.
元の画像
「微分」された画像
モノクロ 2 値化された画像
0.4 実験データの分析
数値計算・シミュレーションなどをおこなう.
3 D グラフィックスやアニメーションもできる.
0.5 解析結果のまとめと論文作成
pLaTeX
pLaTeX で作成された dvifile のビューア.