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プログラムのつくりかた


○プログラムとは?

「プログラム、どうしようか?」キャンプを企画する際、誰もが悩むところですね。「キャンプ場の近くに山があるから登山をしよう!」「最後の夜はやっぱりキャンプファイアーで盛り上がらなくっちゃ!」など、いろいろアイディアは出てくるかもしれません。でも、こんな感じで出てきたアクティビティ(活動)をただ並べるだけでは、キャンプのプログラムとしては今ひとつもの足りない気がします。なぜなら、ここで言う「プログラム」とは、キャンプにおける個々のアクティビティそのものではなく、キャンプのねらいや目的を達成するために、アクティビティを効果的に展開していく一連の流れのことだからです。そのように考えると、アクティビティの指導方法もあわせて、プログラムと考えることもできます。

 前述の例であれば、キャンプのねらいをふまえて、その導入や実施方法などを検討していくのがプログラムとしての登山であり、キャンプのねらいをふまえ、必要であればそれまでに実施されたプログラムとの連関も意識しながら、キャンプの最後の夜にふさわしい内容に練りあげていくのが、プログラムとしてのキャンプファイアー、ということになります。

 プログラムとは、広くとらえるならば、キャンプの全体構成や全体の流れを意味するものです。そして、登山やキャンプファイアーなどの個々のアクティビティも、本来的にはキャンプのねらいや目的を達成することを意図して展開されるものであると言えるでしょう。


○プログラムのつくりかた

 プログラムづくりとは、キャンプという時間の中で「だれが・いつ・どこで・だれに・何を・どのように」するのかを組み立てていく作業のことです。これに「何のために」という視点も加えて、キャンプのねらいをふまえたプログラムをつくっていきましょう(図1参照)。

 対象者、指導スタッフ、活動エリア、日程、予算などが、あらかじめ決まっている場合もありますが、実際のさまざまな条件・制約の中でキャンプのねらいを達成するために、よりよいプログラムを考えていきましょう。

 プログラムづくりのポイントとして次のようなことがあげられます。

★ねらいを明確にする 
 プログラムづくりは、キャンプのねらいを明確にすることから始まります。ねらいが明確になれば、それを具現化するプログラムの展開方法も選別され、それに付随する要素も明らかになっていきます。「何をするか」よりも「何のためにするのか」に焦点を当てることが大切です。

★ゆとりを持つ
 実際のキャンプでは、プログラムの進行に伴うさまざまな状況の変化に臨機応変に対応する柔軟性と行動力が求められます。過密スケジュールに追われ、せわしなくプログラムをこなしているようでは、適切な対応どころか、状況把握も難しくなってしまいます。ゆとりを持ったプログラムをつくることも大切です。

★安全に配慮する
 プログラムの途中で事故が起きるとプログラムを中断しなければならなくなります。それではキャンプのねらいを達成することも難しくなります。プログラムを最後まで提供し、キャンプのねらいを達成して効果を得るためにも、安全に配慮したプログラムをつくっていきましょう。

 プログラムづくりの基本は、キャンプのねらいを達成する手順を考えていくことです。「何のためにするのか」に焦点を当てることによってプログラムづくりで重視すべきポイントを明らかにし、一連の流れとしてのプログラムをキャンプのねらいの達成に向けて洗練させていくことが大切です。  

         (社)日本キャンプ協会「キャンピング」140号より.