文書作成の常識
レポートや論文を書く場合に、とくに留意するべき常識には次のようなものがある。
- 紙には鉛筆では書かない
- 鉛筆は簡単に消えてしまう。 手書きでレポートを書く場合であっても、容易に消えないペンを使って書く。
- 書式が指定されている場合にはそれに従う。 特にページ左右・上下には必ず適切な余白をつける。
- 当たり前のようだが、守られない場合が少なくない。 特に「提出文書」の場合、様式・書式についてついては細心の注意を払うべきだ(競争的状況、たとえば応募書類の場合、その時点で棄却されると考えよう 誰も注意してくれる人はいない)。
- 用紙のサイズを統一する
- 特段の指定がない場合にはA4版用紙を使う。 1993年より日本の行政文書の用紙規格が各省庁あわせてA版化開始となったことを受けて(行政文書の用紙規格のA判化に係る実施方針について(平成05年01月08日総第3号))、A4版が標準的である(ちなみに、B版は日本独自のもので、御用紙だった美濃紙がルーツといわれており、明治政府が公文書として採用したために広く普及した)。
- 文書は永久に保存されるものとして作成する
- 行政文書などある種の文書は法律で定められた年限にわたり保存される。 電子的なファイルはいうまでもなく、紙媒体であってもスキャナ装置・技術の普及と相まって提出した文書は永久に保存されることを前提に文書作成する。
- 用紙の散逸に備える(1)
- 複数枚にわたる紙媒体の文書では、その散逸に備えてその順序が復元できる工夫は要求されている(電子媒体であってもページ数を表示すべきことはいうまでもない)。
電子媒体であれば、次のような工夫をしておく手間を惜しむべきではない。
ヘッダ(header)やフッタ(footer)に、
- ページ番号(「ページ」や「ページ/総ページ数」など)
- 著者名、タイトル、日付など
- 用紙の散逸に備える(2)
- 複数枚にわたる紙媒体の文書は、そもそも散逸しないように紐やフォルダ文具に綴じ込んだり、またはステープラなどで留める(単純なクリップではいけない)。 用紙のどの位置に、どのように留めるか(2穴か4穴かやステープルの方向や深さなど)にも深い配慮が必要だ。 横書き文書は、概ね通常、左開きされるので、左側を綴じるように(最低左上端で一箇所または左端に二点)留める。 縦書き文書では、右開きされるため右綴じが原則。 文書がファイリングされる場合を想定して(ファイルしてもページをめくることができるように)、文書様式に応じて適切な留め方を考えるのである。