EPUBパッケージ方法
実際のEPUB書籍を調べてみよう。 東北大学の『生態適応科学』から[epub版ダウンロード]から入手する。 zipファイルを展開して seitaitekiou.epub が得られる。 [ePub版電子書籍を読む方法]では、iBookstoreや日経BPストアからダウンロードすることも紹介しているが、パソコンでダウンロードしたファイルをモバイル端末に転送してもよい(どれも同じファイルである) EPUB書籍の閲覧リーダによって書籍として読むことができる。
EPUBファイルはZip圧縮ファイルである
EPUBファイルの拡張子を .epub から .zip に変更してみよう。 .zip は、複数のファイルを1つにまとめてアーカイブ(archive)したり、さらにそれを可逆圧縮するZIPファイルフォーマットに付けられるファイル拡張子である。
「生態適応科学」のEPUBファイルサイズは約12.5MB(正確には 12,538,537バイト)であることを確かめ、拡張子を .epub から .zip に変更してZIP展開しなさい(展開後は、再び拡張子を元の .epub に戻しておく)。 得られるフォルダ seitaitekiou のサイズ を調べてみなさい。
EPUBパッケージ化方法
EPUBファイルへのアーカイブ方法はOCF_2.0.1_draft.doc(EPUB 2.01)やOEBPS Container Format (OCF) 1.0(日本語訳)、または EPUB Open Container Format (OCF)(3.3 OCF ZIP Container Media Type Identification)に定義されている。 これをEPUBパッケージと呼ぼう。
EPUB書籍に必要なファイル群をフォルダ ebook 内に格納してあるとする。 これを拡張子 .epub が付いたEPUBファイル ebok.epub にするためのコマンド手順を紹介しよう。 以下、用語とディレクトリ(directory)をフォルダ(forder)と同じ意味で利用する。
- 作業ディレクトリをディレクトリ ebook 内に移動する。
- ファイル mimetype を非圧縮で ファイル名 ebook にZipアーカイブする
- それ以外の全てのフォルダ・ファイルを ZIPコンテナ ebook にZIP圧縮する
以上の操作をEPUBファイル群を格納したフォルダ ebook で実施するコマンドは以下のようになる。 コマンドをプロンプトを $ とし、これはコマンド入力には含めない。 2)の zip のオプションにある -) は「ハイフン+ゼロ」、 -X は「ハイフン+大文字X」、また 3)の -x は「ハイフン+小文字x」である。
$ cd ディレクトリebookへのディレクトリパス $ zip -0 -X ../ebook.epub mimetype $ zip -r ../ebook.epub * -x mimetype $ cd ..
このコマンドの流れは次の意味がある。
- EPUBパッケージに必要なファイル群を収めたフォルダ ebook 内へ作業ディレクトリを移動する。
- ファイル mimetype を一つ上の階層(フォルダ ebook の外側)に、 -0 で圧縮せず、-X でZIPヘッダにはextra fieldを付かない(ファイル属性を付けない)で ZIPコンテナ ebook.epub として保存する。
- 一つ上の階層(フォルダ ebook の外側)に、-x でファイル mimetype を除外した、全てのファイルを -r で再帰的に(フォルダ内も含めて)ZIPコンテナ ebook.epub として圧縮保管する。
- 作業ディレクトリを目的フォルダの外側に移動して処理を終える。
「生態適応科学」のEPUBファイルを展開して得られたフォルダ seitaitekiou をebook に名称変更したうえで、その中にあるファイル群を精査しなさい。 これを上の手順でEPUBパッケージ化して、EPUBファイル ebook.epub を作成し、これをEPUBリーダで閲覧してみなさい。
EPUBパッケージ化アプリケーション
EPUBパッケージ化をGUIで行うアプリケーションもある。
- MacOS
- ePub Packager(有料400円)
- ePub Zip/Unzip(無料)
- Windows
- ePubPack(無料)