EPUB書籍
EPUB形式の書籍はその基盤をWeb技術に委ねている。 EPUB2ではコンテンツ記述はXTHML1.1とCSS2.1に準拠して書くこととなっていた。 EPUB3となって、コンテンツ記述はXHTML1.1からHTML5に変更された(HTMLは最終勧告に向けた仕様を策定中である)。 HTML5の構文にはHTML構文とXML構文がありのだが、EPUB3ではXML構文を採用している(ファイル拡張子は .xhtml)。 このため、EPUB3構文をHTML5といったりXHTML5ということがある。
EPUB規格はEPUB2からEPUB3へと進化を遂げてきているがこれはあくまでも標準化のための規格であって、一方で、EPUB書籍の表現力はEPUB書籍を閲覧するための各種書籍リーダ(リーディングシステム)に依存している。 これは、W3Cで勧告されたHTMLやCSSなどの各種のWeb技術仕様とWebページを解釈表示するWebブラウザとの関係に相当する。 各種のWebブラウザはW3C勧告の全てを実装しているわけでなく、しかも実装についてもレンダリング(rendering)結果には差異がある。 EPUB書籍を作成する側は理論的にはEPUB規格の仕様に合わせて書くことができるが、書籍リーダごとにその表示は異なり仕様上意図した結果とはならない場合も少なくない。 したがって、EPUB書籍を作成する場合には、リーディングシステムを特定のものに固定してそれに合わせて最適化するか、または各種のリーディングシステムで検証して不具合が現れないように配慮するなどの工夫が必要になる。