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Alexandrovの展開定理

多角形のAlexandrov接着

次の3つの条件を満たす接着(glue)をAlexandrov接着という。

  1. 多角形の協会全てを使った接着。 自分自身を接着する(接着の不動点となる)孤立点も認める。
  2. 多面体を接着した継ぎ目部分は、接着した多面体の内部角度の合計が360°を越えない(得られる凸多面体が満たすべき条件)。 360°になるときには、接着面は角にならずに平面になって継ぎ目は消えてしまう)
  3. 接着で得られた多面体は球に同相(多面体の表見は球に連続変形でき、トーラスのような穴が空いていない)。
角度$\theta_{i_1}, \theta_{i_2},\dots, \theta_{i_m}$を持つ多面体の頂点が接着されたとき \[ \theta_{i_1}+\theta_{i_2}+\dots + \theta_{i_m}\leqq 360 \] という凸多面体の満たすべき性質を持たねばならない(凹多面体はこのような制限がない)。
定理[Alexandrov(1948)]: すべてのAlexandrov接着によって、得られる凸多面体は一意的に定まる。 (2重にカバーされた多角形も多面体と考えておく)。

多面体に折ってみる

from "How To Fold It: The Mathematics of Linkages, Origami, and Polyhedra", by Joseph O'Rourke(2011) http://howtofoldit.org/

問題 左図の2つの展開図から立方体(正六面体)に折れるか?。
問題 左図の正三角形の展開図から点xに、頂点A, B, CをAlexandrov接着させて多面体に折る。
問題 左図の展開図からAlexandrov接着させて、多面体を折る。
正方形の周囲に沿って$x$から反時計回りに位置する点と、$C$から反時計回りで同じ距離だけ移動した点$y$とを対応させて接着する(点$x$から時計回りに$y$までの辺と反時計回りに$y$までの辺を1対1に接着)。
問題 左図の展開図からAlexandrov接着させて、多角形を折る。
問題 左図の展開図からAlexandrov接着させて、多面体に折る。。
問題 左図の十字展開図からAlexandrov接着させて、多角形を折る。

未解決問題

Platon多面体を切り開いて1つの多角形にしたとき、これを折って別のPlaton立体にすることができるか?

惜しい例1

正四面体が4単面体(全ての面が合同)になる例。 点$x$と$y$は辺の中点。

惜しい例2(平田の正4面体)

比$1:1:\sqrt{3}-1/2$の直方体が正四面体になる平田の例(2000年)。