Python入門(5) 繰り返し文

プログラミングにおいて、なんども同様の処理を繰り返すfor文またはwhile文が必要になる。 while文があればfor文は不要であるが、for文は多用される。

for文: 決まった回数だけ繰り返す

ブロック指定されたプログラム単位をキーワード for を使ったfor文で、指定した回数だけ繰り返すことができる。

次のPython構文は、range 関数で生成したリスト [1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10] から先頭から要素を1つずつ取り出しながらカウター変数 i に代入しながら、文Aから文Zまでを10回繰り返す。 for のある行の末尾はコロン(:)で改行することに注意する。

for i in range(1, 11):
    文A
    ....
    文Z

次のスクリプト for.py を見てみよう。 2つの点に注意して欲しい。

for のある行には末尾にコロン(:)があり改行して、次行は字下げしている
繰り返される複（数）文はそれぞれ１行ずつ書いて、予約語 for に比べて同じ字数だけ字下げ（indent）して記述する（ブロック文）。

この例では7行目はfor文の外にあることに注意。

for i in range(1, 11):
    print('value of i :', i, end = '')
    print('\tcaliculating i ** 3: ', i ** 3)
print('Here is out of for block')

実行結果は次のようになる。

value of i : 1 	caliculating i ** 3:  1
value of i : 2 	caliculating i ** 3:  8
value of i : 3 	caliculating i ** 3:  27
value of i : 4 	caliculating i ** 3:  64
value of i : 5 	caliculating i ** 3:  125
value of i : 6 	caliculating i ** 3:  216
value of i : 7 	caliculating i ** 3:  343
value of i : 8 	caliculating i ** 3:  512
value of i : 9 	caliculating i ** 3:  729
value of i : 10 	caliculating i ** 3:  1000
This is out of for block

Python shellにrange関数が生成するリストを表示させてみよう。

>>> range(1,11)
[1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10]
>>> range(-3,7)
[-3, -2, -1, 0, 1, 2, 3, 4, 5, 6]

range関数 range(m, n) は $m < n$ であれば負の数であってもよく、$m$ から始まる$n - m$個の要素からリストを返すことがわかる。

演習：スクリプト for.py をカウンタ範囲を変更して実行してみなさい。

iterable要素をカウンタ値とする

Pythonでは、for文のカウンタ変数の取る値は上の例のように整数だけでなく、リスト記号 [ ] で挟まれたリスト要素なら何でもよい。このことは、既にを付けたPython入門(3) 文字列操作/文字列の一部を切り出すで紹介しているfor文で使っている。このことはiterable要素をカウンタ値とするfor文でも触れる。

Pythonの繰り返し for a in B: であらわれる B は繰り返し可能オブジェクト（iterable）である。 iterableなオブジェクトとは要素が並んでいるデータで、順番に次の要素が取り出されるというようになっているデータである。以下の例のように、文字列が並んでいるリストや、文字（letter）の並びである文字列（string）はiterableであり、for文で使うことができるということだ。

次のスクリプトを見てみよう。

prev = ""
for animal in ['cat', 'dog', 'tiger', 'lion', 'puma', 'horse']:
    print('value of animal :', animal)
    prev = prev + animal
    print(prev)
print('Here is out of for block')

演習：上のスクリプト for_list.py を実行し、カウンタ変数 animal と変数 prev の値に注目して観察しなさい。

for文の入れ子（nest）

for文など多くの構文は入れ子にすることができる。次のスクリプトは、Pythonからみると、1つのfor文（そのカウンタ変数が i である）である。ただし、この外側のfor文で繰り返されるブロックは print('outside for')とfor文（そのカウンタ値が k)の2つの文から構成されてい。

for i in range(1, 5):
    print('outside k-for')
    for k in range(i):
        print('inside k-for: i = ', i, ' k = ', k)

演習：上のスクリプト for_nest.py を実行し、カウンタ変数 i と k の値に注目して観察しなさい。

while文：条件が満たされいる限り繰り返す

予約語 while に続いて条件式の値が True である限り、ブロックを繰り返し実行するのがキーワード while文である。

while  条件式:
    文1
    ....
    文n

次の2つの点に注意して欲しい。

キーワード while の行末にはコロン(:)があって改行され、次行は必ず字下げされる
条件式が True である間に繰り返されるブロック文は、while に比べて同じ字数だけ字下げ（indent）して記述する（ブロック文）。

次のスクリプト while.py は、キーボードから文字 'e' または 'E' を入力しない限り、i が 1、2,3, ..と1つづ増えて、その3乗を計算し続ける（計算し続けるためにはリターンキーを押し続けてもよい）。

i = 1
letters = input('repeat more? (e/E): ')
while not(letters == 'e' or letters == 'E'):
    print('i = ', i, ':', end = '')
    print('\ti ** 3 = ' , i ** 3)
    i = i + 1
    letters = input('repeat more? (e/E): ')
print("'while loop' has just terminated")

演習：上のスクリプト while.py を実行しなさい。 while loopが続けられる条件は answer != 'y' and answer != 'Y' と書き換えても等価であることを説明しなさい。

重要: for文をwhile文に書き換える

数値カウンター k を使った次のfor文は常にwhile文に書き換えることができる。

for k in range[m, n]:
    文1
    ...
    文n

$\qquad\displaystyle\Downarrow$ 上のfor文は常に次のwhile文に書き換えることができる

k = m
while k < n:
    文1
    ...
    文n
    k = k + 1

演習：先のスクリプト while.py を修正して、繰り返し回数 n をキーボードからの整数文字列として入力した 1 から n までの3乗を for 文で計算する次のような実行結果をもたらす等価なスクリプト for_while.py を書いて、これを実行しなさい。

iterateration number(>0) = 4
i =  1 : 	i ** 3 =  1
i =  2 : 	i ** 3 =  8
i =  3 : 	i ** 3 =  27
i =  4 : 	i ** 3 =  64
This is out of for block

while文の入れ子（nest）

while文は構文は入れ子にすることができる。

i = 1
k = 5
while (i > 0):
    print('ourside in-while')
    while (k < 5):
        print('inside in-while')
        print('inside while: i = ', i, ' k = ', k)

演習：先のスクリプト while_nest.py をカウンタ変数 i と k の値に注目して観察しなさい。

演習：先のスクリプト for_nest.py をwhile文で書き換えて実行しなさい。