LaTeXのタイプセットで生成されるファイル群

拡張子 .tex の付いた「正しく」記載されたLaTeXファイルをタイプセットすると次の表のような各種のファイルが生成される。 現代的なTeXシステムではPDFファイルを最終的に得るように運用されることが多いが、これらはその過程において巧妙に利用され美しいタイプセット結果をもたらすのである。

LaTeXタイプセット時に生成されるファイル群
.log タイプセット結果の詳細を表すログファイル
.aux 相互参照情報が書き出されたファイル。1度目以降のタイプセット処理に必要
.dvi タイプセットに成功した時に生成される表示デバイスやプリンタには依存しないデバイス独立 DVIファイル(DeVice Independent format file)。 このDVIファイルは別に用意したDVIドライバによて印刷イメージファイフルに変換される。 現代的なTeXシステムではPDFファイルを最終生成ファイルとして設計されていることが多い。そのためのドライバが dvipdfm(x) である。
.toc \tableofcontents コマンドが記載されたときにタイプセットされる目次情報を書き出したファイル。
.lot \listoftable コマンドが記載されたときにタイプセットされる表情報を書き出したファイル。
.lof \listoftable コマンドが記載されたときにタイプセットされる図情報を書き出したファイル。
.(x)bb 図を貼り込むために必要な画像のバウンディングボックス(BB)情報を書き出したファイル。 TeXLiveやMacTeXではコマンド ebb(.bb)や extractbb(.xbb)によって自動生成するように設定できる。
.idx パッケージ makeidx を読み込んで \makeindex コマンドが記載されたときじ生成される索引語句ファイル(並べ替えられていない)。
.ind コマンド mendex(makeindex) によって .idx ファイルを並べ替えた索引ファイル。 \printindex が記載された場所に索引がタイプセットされる。
.ilg コマンド mendex(makeindex) を実行したときのログファイル。
.synctex.gz PDFビューアとエディタの間で同期をとって、.texファイル上の場所と同じ場所をPDFで表示させたり、逆にPDFファイルの場所に対応する.texファイル上の場所に移動させたりできるSyncTeXエンジンを利用しているときに生成される。

タイプセットして所望しているPDFファイルを得た後は、LaTeXソースファイルや必要な画像ファイル以外のファイルは削除しても構わない(ソースを編集したときには再度タイプセットを繰り返すことになる)。 必要なソースや画像ファイルを誤って削除してしまわないために、TeXシステムの利用の前にあるように、フォルダ管理を徹底することがLaTeX文書作成の効率化に欠かせない。