〜木活字〜

休題5

 書籍の印刷に用いる文字型を活字と言い、中國の版本は、木板に文字を彫って摺った整版本と活字を並べて摺った活字本とが有る。そして活字と言えば、近代の鉛活字が一般的で、それを用いた書籍を鉛活字本とか排印本とか称しているが、活字自体は元頃から使用され、清朝末までの間には、銅を使った銅活字・陶器を使った陶活字・木材を使った木活字等が存在している。
 ここに提示するのは、清朝後期の同治年間辺り(字體から判断)の木活字である。横33.5cm・縦21cmの木箱の中に縦横1.6cm四方で高さ2cmの木活字が176字(16行11字)収められている。清朝時期の版木は良く見かけるが、木活字はあまり残存せず極めて貴重なサンプルである。

[目次に戻る]