〜螢雪軒叢書〜

休題17

 『螢雪軒叢書』とは、近藤元粋が明治二十五年に出版した叢書で、中国の歴代の詩話五十九種に返り点を付し、合わせて近藤の評定を加えた和装本で、司空図の『二十四詩品』・歐陽修『六一詩話』・朱承爵の『存余堂詩話』等が、収められている。近藤には、他にも論画関係の書を同様な形態で出した『蛍雪軒論画叢書』六冊も有る。彼は、明治期に多くの漢籍に訓点を付けて出版した人で、その書は當時廣く流布している。尚、彼自身の蔵書は、現在大阪天満宮御文庫に収められている。
 ここに提示する『螢雪軒叢書』は、「二十四詩品」(司空図)・「詩式」(釈皎然)・「六一詩話」(歐陽修)・「温公詩話」(司馬光)の四種類である。

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