〜貝葉経〜

雜言7

 貝葉経とは、ヤシの一種であるターラと言う植物の葉、つまり貝多羅葉に書かれた仏教経典のことである。この葉は、厚みと弾力が有るため、油を染み込ませた墨を鉄筆のようなもので、裏表に書き込み、中央には、綴じるための小孔が二カ所有り、一枚ずつ捲って読んで行く。
 これは、インドを中心に東南アジアや西藏などで普及した、書籍の一形態で、使用されている文字は、サンスクリット系やビルマ語系が多いが、一般的には「貝葉体」と称している。
 ここに提示する貝葉経は、民國時代のものでビルマ語系の貝葉体で経典が書き込まれている。上下には、経典を夾むための朱塗りの木板が有り、経典自体の前後は、一応金彩が施して有る。

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