〜和書『伊勢暦』〜

雜言8

 日本の暦は、持統天皇が中国の唐の時代の暦法を採用し何回かの改暦を経て以来、長年「宣明暦」を使用しているが、江戸時代になると、将軍綱吉が1686年に自前の暦を作る。これが「貞享暦」で、以後「寶暦暦」「寛政暦」「天保暦」と改暦を重ね、明治五年(1872)に、現在の太陽暦へと代わっている。
 江戸時代の暦の形式は多種多様であり、冊子本形式のもの、折り帖形式のもの、或いは絵付き形式のもの等々であるが、しかし、当然のことであるが記載内容自体はどれも同じである。
 ここに提示する『伊勢暦』は、伊勢度会郡山田の瀬川舎人製作の、折帖形式のもので、文化五年(1822)の初めの部分と、慶応四年(明治元年・1868)の終りの部分であるが、本研究室には、文化五年から慶応四年までの、幕末47年間の47册が全て揃っている。

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