〜逓修本〜

続編5

 板木は印刷を重ねるごとに、部分的に欠けたりひびが入ったりしてくる。そのため部分的に新しく板木を彫って、重印するたびごとに補修・補刻を行い、結果として字体や版式が不揃いな本が出来上がるが、これが、変わる代わり修理すると言う意味の逓修本である。
 ここに提示する逓修本は、道光年間の板木を基にして民国年間に至るまでの間に、次々と欠けた部分を補修して行った『文史通義』である。映像が不鮮明で見難くはなっているが、右側の版心下部には「浙江書局補刊」と有り、左側の版心下部には「民國十四年」と有る。

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