〜鉛印本〜

続編7

 鉛印本とは、鉛活字を用いて印刷した本に他ならない。活字を用いること自体は、既に明代から有り、例えば正徳年間に銅活字を使用した蘭雪堂本『藝文類聚』とか、我が国の江戸初期に於ける駿河版『群書治要』などが有名であり、木活字に関しても乾隆時代の『聚珍版叢書』が存在する。この他、陶器で作った陶活字も存在したと伝えられているが、残念ながら寡聞にして陶活字本は、未だ目にしたことが無い。これに対して鉛活字本は、西洋技術の流入と共に清朝末期から大いに流行した本である。
ここに提示する鉛印本は、共に民國初期に作られたものではあるが、左側が清初戴震の著した『孟子字義疏證』であり、右側が明末馮夢龍の著した『山歌』である。

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