〜叢書(全書)本〜

続編12

 叢書本とか全書本とかは、編者の意図に基づいて一定のジャンルのものを集めた本である。因って叢書は一度に何種類かの本を見るには甚だ便利ではあるが、その叢書に納められている版本が何如なる系統の版本か分からないと、使用しようとした時些か躊躇することになる。「何々本は使えないぞ」とか、「単行本と比べてから使った方がいいぞ」等と言うのは、そのためである。国家に因る大きな叢書が、必ずしも良い本を使っているとは限らないことは、『四庫全書』の底本が往々にして通行本であることからしても明白であるし、殊更北宋の郭祥正の『青山集』の例を持ち出すまでも無い話であろう。
ここに提示する叢書本は、乾隆56年重鐫の『増訂漢魏叢書』の最初の見開きと、民国12年排印の『漢堂類槁』の五史平議とである。

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