〜合璧本〜

続編17

 合璧本とは、一種類の本に二種類の文字を使って刊刻した本の呼称であり、一般的には満漢合璧本のことを指す。理屈を言えば二種類の文字の同時併用であるから、韓国語と漢字の併用ならば韓漢合璧本であり、ベトナム語と漢字の併用ならば越漢合璧本であり、日本語と漢字の併用ならば和漢合璧本である。しかし、残念ながらその様な本が中国で刊刻された例は寡聞にして聞いたことが無い。例え、二種類の文字の同時併用であっても、韓国で出された本は韓本であり、ベトナムで出された本は越本であり、日本で出された本は和本である。つまり合璧本とは、中国で出版された本、則ち唐本であることが前提条件であり、唐本であって且つ猶お二種類の文字を使っているものが合璧本なのである。
 ここに提示する本は、光緒4年に江蘇書局が刊行した満漢合璧本の『欽定元史語解』と、ハングルと漢字とを併用してはいるが決して韓漢合璧本ではなく、1915年に朝鮮半島で出版された所の排印本の韓本『閨門軌範』とである。

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