〜善書(勧善書)〜

零話9

 中国で民衆道教の経典とされているものが、善行や社会道徳の勧めを書いた善書(勧善書)と呼ばれるものであり、その中でも『太上感応篇』『陰隲文』『覚世真経』の三書を重要視して「三聖書」と称しているが、内容は必ずしも道教に限定されるものではなく、むしろ一般道徳や社会倫理など様々な善行を勧めるものであり、一般大衆の道徳書と言えなくもない。
ここに提示する善書は、清末から民国初期の間の版行と思われる、『関聖帝君覚世真経』である。

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