〜清注(正義)本〜

零話13

 正義本とは専門的な用語ではなく、便宜的に某某正義と付けられている本のことを指すが、本来「正義」とは、「経書に関する注解の名で、正しい義」の意味を表している。故に唐初に成立した五経に関する注解を五経正義と呼ぶのはそのためである。しかし、清朝に至ると清注と呼ばれる更なる新しい解釈が著されるようになり、結果書籍に関しては、一般的に唐代のものを注疏本(十三経注疏)と呼び、清代のものを清注(正義)本(十三経正義)と呼び慣わしているが、十三経中五経に関する限りは、正義と言えば唐代のもの(『易経』『詩経』『書経』『春秋左氏伝』『礼記』)を指し、残りの八経については、清代のもの(『儀礼』『周礼』『春秋公羊伝』『春秋穀梁伝』『論語』『孟子』『孝経』『爾雅』)を指す。
 ここに提示する清注(正義)本は、上段が道光29年刊の、胡培キ撰『儀礼正義』であり、下段が嘉慶年刊の、邵晋涵撰『爾雅正義』である。

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