〜総集類〜

駄言3

  総集とは、詩や文章を集めたものであるが、一個人のものを集めたものは量の多寡に拘わらず総集とは言わないで別集と称し、例えば『蔡中郎集』や『孟浩然集』等がそれである。これに対して総集とは、一定の時期や一定の場所を限定して、その範囲に存在する多数の人士の詩文をピックアップして集めたものであり、その嚆矢は『文選』であり以後『玉台新詠』『唐詩選』等々が続くのである。
 ここに提示する総集は、左側が同治8年に崇文書局が重刊した胡克家本『李善注文選』であり、右側が清末重刊の『御選唐宋詩醇』である。

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