〜楚辭類〜

駄言5

  『楚辭』に関しては、書籍の四部分類(經・史・子・集)の集部に属するが、その集部の最初に単独で楚辭類として一項目が立てられている。このことは、所謂文学に属するものの最古に位置するのが『楚辭』であり(無論『詩経』の方が年代的には古いが、その名が示す如く『詩経』は四部分類の中で「經」に位置づけられており、実質的な内容はともかく、伝統的文学意識に在っては「集」つまり文学とは見なされてこなかった)、同時に『楚辭』に関する研究が歴代綿々として行われ、その著作も多かったことを示している。因みに、日中国交回復時に当時の田中首相が中国の毛澤東主席から送られたのも、『楚辭』の版本である。
 ここに提示する『楚辭』は、左側が同治11年金陵書局重刊の『楚辭補注』であり、右側が光緒8年江蘇書局刊行の『楚辭集註』である。

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