〜別史類〜

駄言7

  別史とは、宋の陳振孫の『書録解題』の中で立てられた史書分類の項目の一つで、正史には列せられなかったが雑史とは認めがたいもの、つまり正史と雑史の中間に位置する歴史書と規定されている。一見分かったようで善く分からないのが、この別史である。実際各書目の中の別史類にある本が記載されているが故に初めて「この本は別史か」と気づく程度である。書式形態に因り記事本末類とか編年類とかは判別し易く、また内容面から伝記類や地理類も分かり易いが、別史となると、よほど書籍に通暁している人でない限りは、瞬時に判断するのは難しい。かく言う小生も、それが別史類にあるから別史と理解しているに過ぎないのである。
 ここに提示する別史は、左側が光緒2年に明の萬暦喬可傳校本を覆刻した宋の羅泌纂『路史』であり、右側が同治8年に覆刻された宋の蕭常著『續後漢書』である。

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