〜鼇頭本〜

駄言11

  鼇頭本とは、本文に対する注の付き方に因る呼称である。本文の匡枠の上に更に枠を設定してその中に注を施した本を、鼇頭本と呼ぶが、本文の匡枠の上に何も枠などを設けたりしないで直接注を施した本は、眉上注本と呼んでいる。広義に解釈すれば、共に本文の頭上に注が施されていれば、所謂頭注本であることに変わりはないが、更にそれを枠の有無に因って分別し、枠の有るものを鼇頭本と呼び慣わしているのである。
 ここに提示する鼇頭本は、全て和刻本であるが、左側が明治9年再刻の『易経集註』で、右側が同じく明治9年再刻の『詩経集註』、中央が享和元年再板の『書経集註』である。

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