〜諸子1、管子〜

駄言13

  『管子』は、諸子の中で法家に属する思想家であり、『韓非子』や『商子』と同様に重視され、唐の房玄齢が註をつけてより、明代以後多くの註がつけられているが、だからといって多種多様の版本が存在する訳ではない。萬暦十年に趙用賢が『韓非子』と合刻して以来、大概の版本は趙用賢本を底本としている。また、その内容を勘案するに、一般的には法家に属させてはいるものの、実態としては雜家に近いと言えよう。
 ここに提示する『管子』は、左が趙用賢本を底本として明末天啓五年に朱養和が輯訂した、劉績増註・朱長春通演の花齋蔵版本明版管子(後にこれが、嘉慶九年の聚文堂版十子全書本に使用される)であり、右が同様に明末に呉興の凌汝亨が刊行した、趙定宇・朱大復・張賓王等評の朱墨套印本に依拠して、民国初年に刊行された石印本である。

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