〜諸子2、韓非子〜

駄言14

  『韓非子』は、法家に属する尤も著名な思想家で、その版本も四部叢刊の底本に使用された宋の乾道本や、明の趙用賢本及び道蔵本等が有り、注釈書も清末の王先慎の『韓非子集解』等が有るが、注釈に関しては概して日本のものの方が優れており、依田利用の『韓非子校注』や太田方の『韓非子翼毳』等は、その最たるものである。そこには、邦儒の『韓非子』に対する並々ならぬ思い入れを見ることが出来る。
 ここに提示する『韓非子』は、全て和刻本であるが、上段右が乾道本系の『韓非子』であり、左が趙用賢本系の『韓非子全書』である。また下段は注釈書で、右が藤沢南岳の『韓非子全書』であり、左が津田鳳卿の『韓非子解詁』である。

[目次に戻る]