〜載記類〜

駄言16

  載記類とは、漢籍の四部分類の中で史部に所属する一類の書籍を指す呼称である。中原を制圧した歴代の正統王朝の歴史を記述した史書が「正史」と呼ばれるのに対して、各辺境に割拠して覇を称えた政権(一種の地方政権)の歴史を記述した史書を「載記」と呼ぶ。その呼び名は「偽史」と言い或いは「覇史」と称したりしているが、『漢書』の班固伝の中で公孫述等の事を載記と位置づけて以来、『晋書』も『史通』も載記を踏襲し、現在に至っている。その対象としては、『呉越春秋』『越絶書』『十六國春秋』『南唐書』等が該当する。
ここに提示する「載記類」の書は、晋の常キョが著した『華陽国志』の、嘉慶十九年版題襟館本である。

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