〜音韻書〜

駄言19

  音韻書とは、言うまでもなく音韻に関する著作のことであり、学問上の言語学的基礎である小学(文字学・音韻学・訓詁学)の中の一分野である。漢字に於ける歴史的な音韻構造の変化を重視し、古音の解明に依拠した経書解釈を試み、清朝考証学に絶大な影響を与えたのが顧炎武であろう。因って音韻書は、清朝に多く著作されることになる。
 ここに提示する音韻書は、右側が顧炎武著『音学五書』の光緒十六年重刊本であり、左側が陳レイ著『切韻考』の光緒十年本である。

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