〜釋家書〜

休題3

 釋家の書とは、僧籍にある者が著した書籍ではあるが、所謂経典や仏教の教義及びその解釈等とは、その内容を本質的に異にし、それ等以外の内容(仏教に関する遣り取りや僧の伝記、及び仏教に纏わる日常の諸々等)を記した書物を、一般的に釋家の書と称しており、四部分類に於ける子部釋家の釋僧祐編『宏明集』・釋贊寧撰『宋高僧伝』・釋戒顕撰『現果随録』等が、それに該当する。
 ここに提示するのは、清末から民國初期にかけて活躍した印光法師が、知人と遣り取りした書簡(仏教に関する内容)や仏書の序文などを、高弟であった釋慧源が民國二十九年(内容的には民國十九年に纏められているが)に刊行した、排印本の『印光法師文鈔』である。

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