密着!社会人に学ぼう

第4回舞台クリエーター〜夢に向かう人〜ゲスト写真

ゲスト紹介

中平誠人さん―年齢:24歳,
役職:最終的には舞台クリエーター(舞台クリエーターになるために今は役者もしている。)

古は18時から始まるため、17時に池袋で待ち合わせにした。 舞台だけではまだ生活できないため、今回密着する中平さんはコンビニでバイトもしている。彼だけでなく今回集まったメンバーもそれぞれ「復職」を持っている。
登場人物:演出家の吉野さん、中平さん(チャダ)、まっちゃん、ナオ、つよしくん、こんちゃん、の6人。

16:04 高坂駅発の電車で、代々木オリンピックホールへ向かう。
17:30 代々木オリンピックホール到着。動きやすい服装に着替える。
18:00 演出家、役者男子5人が集まる。
18:05 演出家の吉野さんと中平さんが話し出す。
中平さんは、「ある本」をもとに脚本を書き、それを吉野さんにみせていた。 吉野さんは自分の世界観を大切にしなさい。脚本は自分のオリジナルを作らなければならない。 そのために今はその「パクリ」から自分の世界観をつくることができればいい。 吉野さん自身、1行の脚本を書くのに数十冊もの参考文献を使うという。 中平さんは、自分の世界観を出せていないため、参考にしているのではなく、盗作になってしまうおそれがある、と指摘。
作家、脚本家とは才能が第一。脚本を作成中、すばらしい案、文を思い付いたが邪魔が入りその文を忘れてしまおうとする。 優れた脚本家は、「忘れたことはしょうがない。また新たにすばらしい文を考えよう。」と思い、また新たに素晴らしい文を書けてしまうのが才能のある脚本家なのではないか、という。
脚本をかくコツの1つで、エンディングを書いてから中身を書く、ということもコツの1つらしい。
18:35 「おはようございます!」と吉野さんの号令から舞台稽古が始まる。
中平さんはチャダと吉野さんから呼ばれており、そのチャダから各自、自分で用意したある作品の中から抜粋した文章の音読が始まる。 ある人は小説の1シーンを、ある人は映画の1シーンをそれぞれ用意したようだ。
まずは自分なりに内容を理解し感じたことを表現しながら読む。 それを聞いて吉野さんがアドバイスを送り、読む→アドバイス→読む→アドバイスを繰り返し、そのアドバイスの内容はさながら国語の授業のようだった。
18:50 ここでプロの要求を聞く。 「演じる上で作家、脚本家の気持ちを考えて読み、それに自分なりの色をつけ、どう読んだら観客の胸に響かせることができるかを考えて読んでみてください。」 素人の自分ではこんなこといわれてもどうしたらよいのか全然わからない。 ここが学生の演劇部とプロの役者の違いだと思った。
19:00 まっちゃん、なおと続く本読み。 ここで吉野さんは声の強弱、リズムをまるで音楽の指揮者のように腕を振りながらまっちゃんの本読みを聞いていた。
19:35 つよしくん、こんちゃんと本読みが続くのだがこの2人はすごい! 静かな口調で朗読し、それなのに迫力があり、なおかつ頭の中に文章の内容の映像が自然に浮かんできた。
19:45 10分の休憩。
19:55 先ほど朗読した文を次は自分で用意した曲に振りを付けて演じる、という稽古が始まる。
チャダから始まる。自分で用意した曲をバックミュージックに体全体で表現するチャダ。すごい迫力だった。 吉野さんからは「おもしろいなぁ。いつも想像できないような演技をしてくれるよ。ただ、観客は演じている人よりもテンポが速い。 自分のテンションが上がってから次の動作に行くのではなく、自分の気持ちを待たずに体を先に動かすように」とアドバイスを受ける。 そして次は吉野さんの指揮するテンポにあわせて演じ、よりよい演技にしていった。
20:05 まっちゃんへの演技指導で吉野さんは自分が体を使って演技し、見本を見せたりしてまっちゃんにじっくりとアドバイスを送っていた。 その中にはまばたきをしないように演技してみよう。とか観客の空気を変えることのできる演技をしよう。などがあった。 そしてみんなには舞台に立ったときに足音をバタバタたてて歩くのは御法度だと教えた。
中平さんはこの吉野さんの指示をしっかりとメモをとり、また真剣に演技している人の表情を観察しているようだった。
20:45 なおの演技。鏡を見ながら自分の世界に入り演技をしていた。 ナオは右手を動かす事により自分でリズムをとっていたが吉野さんは「リズムを取るだけで動かしているのなら、動かすのは止めた方がいい。 なるべく意味のない行動はしないように。」とアドバイスを送った。
21:00 つよしくんの演技。彼は自分で演じる為のバックミュージックを用意してきていた。 そしてこれまでの役者さんとは違い、演じるために椅子などで場所作りをし、そして準備が終ると精神を集中させるように黙り込み周りもその「オーラ」によって物おと1つたてられない雰囲気になる。そして演技。
バックミュージックの音量担当はチャダ。つよしくんの芸能人か?と思わせるオーラと演技。 2回演技したのだが、息をするのも悪いくらいの雰囲気と演技で、演じながら本当に涙をながしたりと、プロの役者の演技を見た!! (ちなみに1回目の演技のとき、チャダの操作する音量が大きすぎて吉野さんに怒られていた。)
21:20 こんちゃんの演技。彼もつよしくんと同様周りを引き込む力を持っていた。 吉野さんもこの2人には集中させる為に語りかけ、うまく雰囲気作りの手助けをしていた。 こんちゃんは映画の1シーンを演じていたのだが、演じる前に突然笑いはじめたり、ブツブツ言ったりして完全に役になりきっていた。
こんちゃんの演技は他の演出家なら一発OKがでる演技だったらしいのだが、この演出家のもとで仕事をしていく上ではNGであったために彼もつよしくん同様2回演技していた。 やはりただ演技をするだけでなく、これを仕事としているだけあって演出家も役者もプロ以上のものを目指しているのがよくわかった。
21:45 吉野さんの「それじゃぁおつかれさま!今日はここまで!」という声で稽古が終了し解散となった。そして取材終了。

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Last modified: 2003.06.16

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