論文を書くときは大抵の人が「文書作成ソフト」を使用すると思います。しかし、この状態ではWebで公開するには適していません。なぜなら、この形式は環境に依存し、同等のソフトが入っていない場合、閲覧することが出来ません。また、使用方法によっては、閲覧者に攻撃を加えることも可能なため、慎重なユーザーの中にはこれらのファイルを開くことを嫌う人もいます。しかし、「HTML」は非常にシンプルに出来ており、環境に依存せず、閲覧者に攻撃を加えることもありません(*1)。
一般的な「文書作成ソフト」にはHTML変換機能が付いていますが、これは所詮、付属の機能であって、真の意味でのHTMLコーディングは実現できません。なぜなら、自動処理された文書では作者の論理的な思考が反映されないからです。「読めればいいじゃないか」と考える人もいるでしょうが、論文である以上、その内部構造も論理的である必要があると考えるのは、非合理的なことではなく、むしろ合理的であるといえるのではないでしょうか。
ただし、我々はプロのWebデザイナーではないのでそれほど作りこむ必要はありません。あくまで、論理的なマークアップがされていれば、何の問題もありません。
論文の内容は人によって大きく異なりますが、「主題」があり、「章」があり、そして「文章」があるという点において違いはありません。ですから、この構造に則した土台をあらかじめ作っておきます。これを作っておけば、あとは作成した文書をコピーして貼り付ければHTMLドキュメントとして完成します。
<!DOCTYPE HTML PUBLIC "-//W3C//DTD HTML 4.01 Transitional//EN">
<html lang="ja">
<head>
<meta http-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=Shift_JIS">
<title>主題</title>
</head>
<body>
<h1>主題</h1>
<h2>章</h2>
<p>本文</p>
</body>
</html>
<h数字></h数字>は見出しをあらわし、数字が小さくなるほど(6まで)重要度が下がります。当然、主題がもっとも重要なので<h1></h1>で囲み、章、節は、それぞれ<h2></h2>、<h3></h3>あたりが適当でしょう。<p></p>は段落をあらわし、一つの段落がこの中に収まります。
この作業を繰り返していけば本文の入力は完成します。表や画像を使用していなければ、あとは自分の名前や参考文献などを入力するだけです。