1998.5.28 に更新しました


二八 また十月ばかりに

本 文

■二八■  また十月ばかりに、「それはしも、やむごとなきことあり」とて出でむとするに、時雨と言ふばかりにもあらず、あやにくにあるに、なほ出でむとす。あさましさにかく言はる。
  ことわりのをりとは見れど小夜ふけて
  かくや時雨の降りは出づべき
と言ふに、強ひたる人あらむやは。

★『蜻蛉日記』総目次へ戻る★

[ 浜口研究室の INDEX へ戻る ]

Copyright (C) 1997 Toshihiro Hamaguchi