第11回 経済データについて学ぼう(3) | ← ▲ → |
これは 1994年第1四半期から2008年第1四半期までの国内総生産(Gross Domestic Product、GDP)の値であり、単位は10億円である。 このような四半期データは、四季の変化や社会習慣に起因する1年周期の変動(季節変動)が見られ、GDPの値は第4四半期が高くなっている。 GDPは景気分析を行う重要なデータだが、景気の基調と無関係な季節変動が含まれていると正しい分析が行えない。 しかし、移動平均法に基づく計算を行うと季節変動を調整することができる。
1.のデータと同じように「年」に対する値をグラフ化するが、このデータでは「年」のデータ(A列)に欠損がある。
このようにX軸の数値化が完全でない場合は、「折れ線」にしなければいけない。
移動平均法とは、グラフの不規則な凹凸(ノイズ)を除去して、滑らかな曲線を得る方法である。 ある時点を中心としたN点分(Nは奇数)のデータの平均をとり、その中心点を移動させながら時系列データを作るので「移動平均法」という。
四半期データでは4点分の原系列データで平均をとれば1年分になり都合がよいが、Nが偶数(N=4)となってしまう。 そこで、ある時点を中心とした5点のデータをとり、 1点目と5点目のデータを半分にして事実上4点分のデータとする。
Excelではこのままオートフィルすれば、セルが相対参照となるので、その時点を中心とした5点の年平均値を求めることができる。 ただし、最初の2点と最後の2点は計算できないことに注意しよう。
※ここでは簡単な移動平均法により季節変動の除去を行ったが、 アメリカ商務省センサス局で開発された「センサス局法」など、高度な工夫がなされている方法もある。