ギャラリー解説

青銅器

元青銅中統元寶鈔板(元時代、AD1260〜1367)

縦19.7cm、横13.8cm、厚み0.5cm

世界で最初に紙幣を発行したのは中国で、北

宋時代に四川省に限って発行された「交子」が

、その嚆矢であり、南宋時代には「会子」が、金

朝には「交鈔」が、元朝には世祖に因って「中

統元宝鈔」が、明朝には「大明通行宝鈔」が、

清朝には19世紀後半に至って「戸部官票」と

「大清宝鈔」とが発行されている。本品は、元朝

に発行された「至元通行宝鈔」二百文の青銅印

刷板であるが、現伝する二百文の「宝鈔」は、

上部の文字が「貳佰文」ではなく「貳伯文」、下

部の四連銭(貳貫文の形式)が二連銭、となっ

ている。では、本品は、「偽宝鈔板」なのか、そ

れとも別の二百文「真宝鈔板」なのか、博雅の

士の教えを請う所である。


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